特許権を取得するには?
アイデアの具体性
特許権を取得するためには、まず技術的アイデアを考えだすことが必要です。このアイデアは、ある程度具体的なものである必要があります。携帯電話機を例にとれば、単に「携帯電話機の形状をもっと握りやすい形状にすれば便利になる」という程度の漠然としたアイデアは、十分に具体的であるとは言えません。
つまり、携帯電話機のどの部分に突起やくぼみを設けたなどの具体的な形状を特定することが必要であり、そのような形状にしたことによって、どの指が突起に引っかかり、どの指がくぼみに入り込むから握りやすくなったというように、「握りやすい」という効果を理論的に説明できる程度にアイデアを煮詰めることが必要です。
アイデアの文書化
特許出願の際には、そのような具体的な説明を図面を使って分かりやすく説明した説明書のようなもの(「明細書」と呼ばれています。)を特許庁に提出することになります。特許庁の審査官は、明細書の内容に基づいて特許権を付与するかどうかを決定することになりますので、審査官にとって分かりやすい具体的な説明を記載することが重要になってきます。
アイデアの斬新さ
また、特許権を取得するためには、斬新なアイデアである必要があります。つまり、既に知られている従来技術とは異なるという新規性を有しており、さらに、従来技術から容易に考え出すことができない進歩性を有するものである必要があります。
単に新しいというだけでなく、従来技術とは異なる原理を利用しているとか、従来技術と比べれば、顕著な効果を有しているものでなければ、特許権を取得することができません。
審査官による審査の結果、新規性がないと判断され、あるいは、進歩性がないと判断された場合には、特許権を取得することができません。このようにして特許権の成立が審査官により拒否されることを「出願が拒絶される」と言います。