商標権を取得するための手続
@商標登録出願
出願においては、商品またはサービスを特定した上で、使用する商標(文字、図形、記号など)を記載した願書を提出する必要があります。
商標は、特殊なロゴのようなものでも、単に普通の書体で記載したようなものでも構いません。
また、出願と同時に、出願手数料を納付する必要があります。
A出願公開
特許出願の場合とは異なり、出願後、比較的早い段階で公開されます。
B登録査定
商標登録出願に係る商標が他人の登録商標と類似しない等の登録要件を満たしていると審査官が判断した場合に登録査定が行われます。このとき、出願人には登録査定の謄本が送達されます。
C登録料納付
登録査定の謄本送達日から30日以内に登録料を納付する必要があります。(原則として、10年分の登録料を納付します。前半5年分と後半5年分とに分けて分割納付することも可能ですが、この場合は割増料金となります。)登録料を納付せずに30日が経過すると権利化できなくなります。
なお、特許出願の場合に認められるような減免・猶予は、商標登録出願では認められていません。
D拒絶理由通知
審査官が審査を行った結果、その商標と同一または類似する他人の商標が既に登録されているなどの判断がなされた場合に「拒絶理由通知」が出されます。
E意見書・補正書
拒絶理由が通知された場合、意見書又は補正書を提出し、拒絶理由を解消する必要があります。意見書は、審査官に対し意見を申し述べる書類であり、補正書は、出願書類の内容を変更するための書類です。拒絶理由通知に対して、出願内容を修正する「補正書」や、審査官に意見を述べる「意見書」を提出することにより、「登録査定」を受けることができる場合があります。
F拒絶査定
意見書・補正書を提出しても審査官の判断が覆らなかった場合には「拒絶査定」が出されます。このとき、出願人には拒絶査定の謄本が送達されます。
G拒絶査定不服審判
拒絶査定の謄本送達日から3月以内に拒絶査定不服審判を請求すれば、「審査官」とは異なる「審判官」による判断を仰ぐことができます。 拒絶査定不服審判に係属している間は、再度、補正を行うことができます。審判官に対する反論が認められれば、「登録審決」を受けることができます。
H拒絶審決
拒絶査定不服審判でも審査官の判断が覆らなかった場合、「拒絶審決」が出されますが、これに対しては、裁判所に審決取消訴訟を提起することもできます。
早期審査・早期審理請求
出願後に拒絶理由通知または登録査定が出るまでの期間は、「早期審査制度」を利用することにより短縮できる場合があります。
また、拒絶査定不服審判を請求してから拒絶審決または登録審決が出るまでの期間は、「早期審理制度」を利用することにより短縮できる場合があります。
早期審査制度・早期審理制度を利用するためには、一定の条件を満たしている必要があります。この一定の条件は、特許出願の場合とは若干異なります。