さ行一覧
最後の拒絶理由通知 - 最初の拒絶理由通知 - 差止請求権 - 産業上利用することができる発明 - 実用新案技術評価書
実用新案権 - シフト補正 - 出願公開 - 出願公開の請求 - 出願審査の請求
出願の分割 - 出願の変更 - 種苗法 - 情報提供 - 条約第34条に基づく補正
新規事項の追加禁止 - 新規性 - 審決 - 審決取消訴訟 - 審査主義国
進歩性 - 既に通知された拒絶理由と同一である旨の通知 - 図面 - 生産方法の推定 - 先願
先願主義 - 先使用による通常実施権 - 前置審査 - 専用実施権
進歩性
進歩性とは、従来技術に基づいてその分野における通常の知識を有するもの(当業者)が容易に発明することのできない程度の困難性をいう。拒絶理由として通知されることが最も多い。特許・実用新案審査基準上、進歩性の判断は、請求項に係る発明と引用発明とを対比して一致点及び相違点を認定した上で、請求項に係る発明の進歩性を否定し得る論理付けにより行われる。進歩性を否定する論理付けができない発明は、進歩性を有すると判断される。論理付けは広範な観点から行われるが、(1)最適材料の選択・設計変更(公知材料の中からの最適材料の選択、数値範囲の最適化又は好適化、均等物による置換、技術の具体的適用に伴う設計変更など)又は単なる寄せ集め(発明特定事項の各々が機能的又は作用的に関連していない場合)に該当するかどうか(2)動機付けとなるものがあるか(3)引用発明と比較した有利な効果の有無等により判断される(特許・実用新案審査基準)。
→進歩性違反の拒絶理由が通知された場合、引用文献に記載の発明と出願に係る発明とに差異がないか。差異がある場合は、その差異が、上記最適材料の選択等に該当しないものであるかという観点、又は、指摘された論理付けは妥当性を有しているかという観点から反論点を探し、意見書で主張する。また、手続補正書により特許請求の範囲等の必要な補正を行う。
既に通知された拒絶理由と同一である旨の通知
分割出願を行ったことにより出願日が同一とされる別の出願において既に通知されている拒絶理由と同一の拒絶理由が通知される場合には、拒絶理由通知と共にその旨が合わせて通知され(特許法第50条の2)、最後の拒絶理由通知が行われた場合と同様に補正の制限が課される(最後の拒絶理由通知を参照)。分割出願をおこなったことにより出願日が同一とされる出願となるのは、一方の出願が親出願で他方が親出願を分割した子出願である場合、及び、2つの出願がいずれも共通の親出願を分割した子出願である場合がある(平成18年法律改正解説)。ただし、出願審査請求を行う前にその拒絶理由を知りうる状態になかった場合、例えば、出願審査請求後にその拒絶理由通知が行われた場合等は適用されない。
図面
特許出願の願書に添付される書類の一つ。図表を用いて発明の理解を助けることを目的としている。図面は必須ではなく、明細書の記載のみで発明が理解することができるときは図面を省略することができる。図表等には符号のみを付し、図面に関する説明は書かないのが原則であるが、図の主要な部分の名称等を記載することも可能である。
実用新案出願においては、図面の添付は必須である。
生産方法の推定
物を生産する方法の発明について特許権が付与されている場合において、その物が特許出願前に日本国内において公然知られた物でないときは、その物と同一の物はその方法により生産したものと推定される。物について特許権を取得しておけば、本規定を利用しなくても権利行使をすることができる。
先願
先の出願日に出願された特許出願等のこと。いずれかの出願が優先権を主張している場合は、優先日(優先権の基礎となる出願の出願日)が前の特許出願等を指す。